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ひでの創作集
掌編を中心に書いています。
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愛について
  ある居酒屋で二人の男が恋愛論に花を咲かせていた。
 話がすべて出尽くした後、年配の男は酒臭い息とともにこう若者に切り出した。
「女という人種に対しては、男の立場から言うなら、愛しています、などとは決して言い出さないことだ」
 若者は先輩に対しはなはだ不満を抱いた。
「どうしてです? その言葉は男に背負わされた役割であるような気がしますが」
 すると彼は哀れな子羊を見るような目になった。
「それだ。その姿勢がいけない。子供を産むこと以外、人生にこれといった夢や目標を持たない女にとっちゃあ、この言葉くらい魅惑的な言葉はないじゃないか。これを聞かされたとき、女はおしなべて、キラッ、と目を輝かせるらしいが、俺の女房もその例にもれなかった」
 若者はなおも不満そうである。
「だけど、女たちの幸せの境地はそこにあると思うのですよ」
「無垢なんだ、君は」男は嘆息した。「若い男はみな女たちのうら若い健気さにだまされる。三十年前の俺がそうだった。女房の大きな尻の下で、今はその、愛の力、ってやつをギュウギュウ試されているがね」
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最高の気分
    若いカップルがフランス料理店で食事をしていた。円いテーブルの上には豪華な料理が並んでいた。
「今夜は最高にいい気分だ」
 男は女に向かって言った。
「酒は上等だし、料理は極上だ。その上、素敵な女性が目の前にいる」
「私もよ」
 女はうっとりした目を男に向けた。
「私もあなたと同じように最高に素敵な気分を味わっているわ」
 すると、男は驚いて後ろを振り返った。
「ど、どこにそんないい男がいるの!」
最高の女
中堅会社のある社長が、今度採用した秘書を家に招いた友人たちに向かって大いに自慢した。
「彼女は真面目だし、身ぎれいだし、仕事の処理も的確だし、それに美人でとても魅力的な女性なんだ。おかげでわしの株も上がる一方らしい。ともかく最高の仕事をする女性。一言で言えば秘書をやるために生まれて来たような娘だ。君たち、ほんとうの女を見ようと思えば秘書をさせればいい。それで女の価値が判断できると言っても過言ではないくらいだ。彼女に首ったけの社員がいるのだが、嫁に行かれては困るから、このたび彼を地方に遠ざけたくらいさ。ハッハハハ」
その話を障子の陰でたまたま聞いた妻。友人たちが帰ると早速夫に問い質した。
「あなた、すると言うと私は最低の女だったわけね。不真面目で、不潔で、仕事の処理もさっぱりで、しかもきわめつけにブスだったから、私を嫁に迎えて下さったのね? プロポーズの言葉は確か、自分の奥さんになった方がいい、のひと言だったわ。追加に、君に秘書の仕事は全く向いてない、でしたものね」

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