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ひでの創作集
掌編を中心に書いています。
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正直じるし
夫婦間でもうひとつ燃えない倦怠期にさしかかっている男が風呂場でふいに一物をふくらました。
 男には時としてこういう困った現象が起きる。今日、オフィスの階段で、直属の部下である女子社員のミニースカートの下から露出した太腿に目を射抜かれてしまった。この時のもやもやした思いを今も引きずっている自分に気付いたのである。
父親の一物を一緒に入った娘がとても不思議そうに眺めた。
 ちっちゃな手で触れて、
「これはなあに?」
 可愛い表情で尋ねた。
理性的であろうと努め、一物の先端をすぼめさせようとしたが時すでに遅しである。簡単に伸縮できないのがこいつなのだ。
「パパの元気のしるしがこれなんだよ」
父親は何とかそう説明した。親は子供に対しいつも正直でありたい。壮年期に入りつつある父親は自分の朴訥な言葉にいたく満足した。
「じゃあ、今日のパパ、とっても元気なんだね」
「ああ、そうだよ。元気なんだ。とっても元気なんだよ」
彼の今にとって確かに真実の言葉であった。
娘はこのことを早速母親に伝えた。母親には何でも話したくなる。これが幼子というものなのだ。
「パパ、今日はとっても元気なんだって」
「へえっー、パパが・・・今日は元気なの? 珍しいことだわ。あいちゃん・・・だけどどうしてそれが分かるの?」
このところの投げやり気味の夫の奉仕ぶりを思い浮かべながら、妻は苦笑した。幼い娘の報告にも真剣に耳を傾けようとする自分がまたおかしかった。
「あのね。お風呂に入っている時、パパのおチンチンがぷうっとふくらんだの。それで聞いたら、これがパパの元気のしるしなんだって」
「まあ・・・パパがそう言ったの。ほんとに?」
「ほんとだよ」
妻の表情はいっぺんに喜色満面になった。
その夜、母親は娘を寝かしつけると期待に胸弾ませながら早速夫の胸に飛び込んだ。夫の復活の元気じるしを身体で受け止めたかったのである。
彼はしぶしぶ応じた。だが、娘の報告と違ってどうにも充実したものではない。このところの、相変わらずの不調をただ引き継いでいるだけのことだったのである。
「どうしたのよ」
妻は夫の不発に期待を外され、がっかりした。分厚い胸に頬ずりしながら言った。
「あなた・・・今日は久しぶりの元気じるしじゃなかったの? 私はちゃんとあいちゃんから聞いて知っているのよ。正直さがあなたの取り柄のはずじゃない。それがいったいどうしたというの?」
夫は下を向いて答えた。
「だからなんだ。風呂に入っていた時は確かに元気だったが、その元気がどうしてか抜けてしまった」
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