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ひでの創作集
掌編を中心に書いています。
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友人のラッキーセブン
 智也の家に高校の同窓が顔を出した。
 親たちは出払っている。智也は友人を部屋にあげた。缶コーヒーを出してやりながら訊ねた。
「ここまでやってくるなんて何年ぶりじゃないか。辺鄙なところだ、と俺の家には寄り付きもしなかったのにどういう風の吹き回しだ?」
「部屋はどうなってるんだ?」
「部屋? 俺のか?」
「お前の部屋じゃないよ。また出戻ってくるんだってな?」
「何だ、妹か。そんな話、誰から聞いた?」
「彼女の友人だ。今もずっとホットライン保ってる。高校時代、地獄耳のヤスと言われてたのを覚えてないのか?」
「・・・」
「すっぽんのヤスとも言われてた。これで何度目だ?」
「あいつ、もう四度・・・ん? 何が訊きたい?」
「つまり、道も半ばを過ぎれば早い、ってね・・・俺は今も待ってるわけさ」
 ようやく波長が合ってきたとばかり智也は言った。
「妹の出戻りをか?」
「ああ。そして俺のラッキーセブンも近づいたようだ」
「セブンだ!?」
 智也は呆れた顔になった。
「高橋、お前なあ・・・あいつはもう次の相手もちゃんといて、じきにまた東京へ出ていく身なんだ。お前があいつを好きで、高校時代にはあいつを誘ってデートなどしたりしていたのも知っている。しかし、それはあいつが初心な女だった頃の話だ。しかしそんな妹はもうどこにもいない。今のあいつは金の話しかしない我利我利亡者になっちまってる。いい加減あきらめた方が身のためじゃないのか」
「金か・・・?」
「ああ。出世魚じゃないが、あいつは再婚するたびに、相手の財と年齢の桁を上げてきてる。今度の相手は60代だと聞いたよ」
「ほほう・・・」
 友人は感心して見せた。
「このままいくと・・・七度目の相手は80代ってことになるじゃないか。ひょっとして、エレンはやっぱり俺のこと好きなのかもな・・・! 彼女は俺に約束したんだ。七回結婚して亭主が死ねば俺と一緒になってやってもいいって言ってたんだからな」
「・・・」
 友人は智也の肩を思い切り叩き、愉快そうに鼻歌交じりで引き上げて行った。 


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