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ひでの創作集
掌編を中心に書いています。
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給湯部長と自己満足
 二人の女が茶菓子を手に給湯室でくつろいだ。
「ひとめぼれってやっぱりあるのかしら?」
しみじみした声で、Z社の学生バイトのA子はベテランOLのB子に訊ねた。
「あると思うけど、心当たりでもあるの」
「営業のO君に出会ってから、毎日、食事もろくに喉を通らなくなっちゃった。これって、ひとめぼれかなあ、と思って……。今まで一度も経験しなかった気分なの」
 B子はしばらく考えて同調した。
「間違いないわね、それ。ひとめぼれよ。そういう気分を引き摺るのは健康によくないから、彼に早く告白すべきだわ。彼のことはよく知ってる。何なら私が橋渡ししてあげようか?」
「でも」
「でも、何よ?」
「今は彼氏もいるから」
「ってか・・・あなたね」
 B子は呆れて言った。
「それってひとめぼれじゃなくて、ただの浮気性なだけじゃない。どうせ、その彼にもひとめぼれした口でしょう?」
「違うわ」
 彼女は答えた。
「彼の場合たくさんの女性に持ててたから張り合って横取りしただけ。だけどOさんに彼女はいそうにないんだけど、ざわざわ心が騒いで仕方がないの。これはきっとひとめぼれなのよ」
 B子は複雑な表情で再び訊ねた。
「だから今の彼をどうしたらいいかなと思い悩んだりしているわけね」
 A子は首を振った。
「それはしてない。別れる気持ちだってない。ただ、Oさんに対して、騒いだりときめいたりする自分の気持ちの正体を知りたいなあって」
 B子は腕を組んだ。
「そんなの知る必要はないよ」
 とA子をにらみつけるようにした。
「そうやって給湯部長の私をからかってないで、ここで一人で勝手に自己満足してなさい」
 そう言い残して、さっさと給湯室を出て行った。
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